中心市街地活性化の軌跡-協働でマチは変わる―
関西大学 法学部 法学政治学科 小浦拓也
今、『協働』や『ソーシャル・キャピタル(社会資本関係)』といわれる分野が各自治体や、学術研究の領域で研究されています。
それは、地域活性化に取り組む、人々が協働体としての価値を確立していった事例が多いという点からも注目されてきました。本稿では、こういった中心市街地活性化の軌跡をたどることで地域活性化を成功したマチを事例に、これからのマチの姿、地域としてのマチの在り方、マチとしての必要性について、みんなでつくる協働のマチを考え創造していきましょう。そして、上記の『協働』、『ソーシャル・キャピタル』、『創造』が今後の地域活性化において大変、重要なキーワードになることを忘れないでほしいと思います。
はじめに、『協働』と『ソーシャル・キャピタル』の意義と事例を基に考えます。
『協働』とは、複数の主体が、何らかの目標を共有し、ともに力を合わせて活動することをいうことを指すように、“地域・マチ創り”にとって一番、欠かせないことは、“人を想う心”であり、“アツい心”であり、“目標を成すという意識”であるとおもいます。その3つの原則が最低でもなければ、まずマチ創りはうまく機能しないでしょう。そして、もう一つ大事なこととして、『ソーシャル・キャピタル(社会資本関係)』といわれるものです。これは、学術的に今、大変注目を浴びている分野であり、政治学から経済学、社会学の領域まで研究領域は広いものになっています。わかりやすく説明しますと、社会を成り立たせる人間というものは、一つの職業ではあまりにも偏りすぎてうまく機能せずに、同じ分野であることからアイデアも一元的になりがちであるという結果が出てくるかもしれません。しかし、この社会資本関係をバランスよく、かつ、様々な多様な分野の方々が集うことによって相互関係が築けていきます。その相互関係という場で、地域活性化事業を展開する集団こそ、ソーシャル・キャピタルの一つの例であると思います。言わば、助け合いの精神、人々が持つ信頼関係や人間関係(社会的ネットワーク)のことであり、上下関係の厳しい垂直的人間関係でなく、水平的人間関係を意味します。
次は、現に、このようなソーシャル・キャピタルという相互関係を通じて、成功しながら今、現在も事業が行われている地域について注目していきましょう。
それは、宮崎市内中心市街地活性化でまちづくり推進を進める『Doまんなかモール委員会』の方々です。こちらの委員会では、宮崎市中心市街地の活性化を目的に、“7つの商店街と5大型デパート店がひとつのショッピングモールのように”をコンセプトに設立されました。そして、宮崎県の商業、文化の中心として、賑わいのある安全で快適なまちづくりに取組んでいる独自のボランティア委員会です。毎週、土曜日の朝にミーティングをマチにあるカフェで行いながら、毎月第3日曜日に開催されるサンデーマーケットといわれる中心市街地活性化イベントを行い、マチの活性化に取り組んでいます。構成としては、当初、商店街に店舗を持つ若手の社長さんや、商工会議所の方々、宮崎市職員の方々、マチを愛する県議会議議員の方を中心に組織化されました。そして、今では多くの方々によって支えられ、この委員会の中に学生部など構成され、市街地に位置する公立大学の学生さんが地域活性化のために街のゆるキャラ系ヒーローとして“DOまんなかジャー”がマチを盛り上げます。また、学生主催でのイベントも先月行われました。これは、マチの活性化を盛り上げるためだけでなく、楽しくマチを知ってもらい、特に小学生の子どもたちを中心としたスタンプラリーを企画し、隠されたスタンプを見つけることで豪華賞品があたるというイベントを企画し、約500人もの子どもたちやご両親、多くの人がマチに集いました。このほかにも、毎月、月一ペースにマチの中心市街地のDOまんなかモールを歩行者天国にすることにより、様々なイベントを行うことでマチに人が集いつつあります。これは、短期的には行えないかなりのビッグプロジェクトであり、先ほども述べましたように、“人を想う心”、“アツい心”、“目標を成すという意識”が高くない限り、ここまで地域活性化事業を成功することは不可能に近いと思います。この宮崎中心市街地活性化の方々の行っている活動は、来年で6年目を迎えます。私自身も、この活動に夏休みの期間ですが少しだけお手伝いをさせていただきましたが、この事業に携わる皆さんは、ほぼ無償で設営、運営、広報を行っております。そして、みなさんが違う職業をされている方々ばかりです。異なった職業に就いているからこそ、多様性が生まれ、客観性が育まれ、そこからアイデアが生まれ、新しく今までにないパフォーマンス、企画運営が実現し、成功すると思います。それこそ、まさに『協働』であり、助け合いの精神、人々が持つ信頼関係や社会的ネットワークとしての『ソーシャル・キャピタル』の機能と、マチづくりを形成していくという『創造』の力が地域を活性化させ、来られる方々を楽しませ、また、リピーターが増えていく。そして、それが一人ではなく、多くの人々に拡がり地域に根差したマチづくりが形成されていくと思います。
今、地域活性化事業に必要なことは、『協働』のなかでの、“人を想う心”、“アツい心”、“目標を成すという意識”であると思います。今後も、地域経済は大きく疲弊していく道をたどる一方です。それを少しでも阻止するためには、そこに住む人々の底力が重要になっていきます。マチをもう一度、復活させたい。今から、マチを活性化させたい。と考える方が、一人でも増えていくことを願っています。そして、今後も、全国で注目を集めつつあるこの宮崎市中心市街地活性化事業に取り組んでいらっしゃる『DOまんなかモール委員会』の主催されるイベント活動にも注目していきたいと思います。すべては、愛する“マチ”を“協働”によって元気にしていくために。
(総数:2514字)
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